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【2Dから脱却! 】3D設計を定着・導入する方法

現在、ものづくり分野において“3Dの活用”が一つのテーマになっています。

経済産業省『2020年版ものづくり白書』によると、設計プロセスに3Dデータを活用したり、企業・部門間でデータを受け渡したりする際に3Dデータを活用しているというケースはまだ少なく、依然として2Dが主流です。

しかし、社会全体で進んでいるデジタル化に対応し、フロントローディングを進めていくためには3Dデータを活用し、業務効率の向上ならびに属人化の解消を推し進めることが不可欠です。

本記事では、3D設計の導入が進められる理由や課題、定着方法などを解説します。2Dから3Dへの移行をお考えなら、ぜひご参照ください。

出典:経済産業省・厚生労働省・文部科学省『2020年版ものづくり白書(令和元年度 ものづくり基盤技術の振興施策) 「概要」


目次[非表示]

  1. 1.3D設計の導入が進められる理由
    1. 1.1.①だれが見ても分かりやすい
    2. 1.2.②修正に対応しやすい
    3. 1.3.③試作品を容易に作成しやすい
  2. 2.3D設計の定着化を図るポイント
    1. 2.1.①導入課題を洗い出す
    2. 2.2.②導入後の目標を設定する
    3. 2.3.③スケジュールを策定する
    4. 2.4.④実行と検証を繰り返し行う
  3. 3.まとめ


3D設計の導入が進められる理由

3D設計の導入が進められる理由は大きく分けて3つです。


①だれが見ても分かりやすい

2D設計は平面に表現するため、設計図を読み取る能力が必要です。これは属人化を招く要因とも考えられます。

一方、3D設計は立体的に表現するため、だれが見てもすぐに理解できます。設計の知識がない取引先や関係者などとのイメージのすり合わせを早い段階で行えるため、各工程の作業短縮を図ることにもつながります。


②修正に対応しやすい

たとえば2D設計の場合、設計変更やモデル変更、修正にすぐに対応できません。また、実際に試作品を作らなければならないなど、試作品を使った検証にもコストがかかります。

一方、3D設計であれば実物を作らずともシミュレーションが可能です。そのうえ、完成形をあらゆる方向から確認できるため、干渉やズレを設計段階で検知できます。設計ソフト内で動作デモを確認できて、重心などの解析計算も容易です。


③試作品を容易に作成しやすい

3Dプリンタと連動すれば、短時間・低価格で試作品を作成できます。2D設計の場合は、図面を読み取り、加工用のデータの作成などが必要です。

しかし、3Dプリンタを活用すれば、設計データをそのまま加工用データとして利用できます。以上のように、3D設計は企業にとってさまざまなメリットがあるため、今後も3Dデータでの設計の割合は高まることが予想されています。



3D設計の定着化を図るポイント

2D設計から3D設計に移行したり、3D設計を定着させたりするには、問題を解決するためのプロセスを理解して進めることが必要です。次のような流れで定着化を図りましょう。


▼プロセス例

  1. 導入課題を洗い出す
  2. 導入後の目標を設定する
  3. スケジュールを策定する
  4. 実行と検証を繰り返し行う

各プロセスにおけるポイントについて、以下で詳しく解説します。


①導入課題を洗い出す

まず、2D設計ではどのような課題があるのかを洗い出します。2D設計の課題としては、以下のような例が挙げられます。


▼2D設計の課題例

  • 読図能力がないと理解できない
  • 製図内容を理解するのに時間がかかる
  • 設計の意図を正確に伝えるのが難しい
  • 設計後の修正に即対応できない

このように、まずは導入課題の洗い出しを行いましょう。そして、これらの課題に対して、3D設計をどのように活用し、定着化させるか考えます。


②導入後の目標を設定する

次に、3D設計を導入することで達成したい目標を設定します。たとえば、以下のような例が目標として挙げられます。


▼3D設計導入後の目標例

  • 3D設計を導入して、試作品製造のコストを削減する
  • 設計部門と現場の意思疎通を迅速にする

部分の最適化を測るのではなく、全体の最適化を考えたうえで設定するのがポイントです。


③スケジュールを策定する

設定した目標に対して、どのように3D設計の導入を進めていくのかスケジュールを策定します。

スケジュールを策定する際は、ツールの選定から業務に活用できるレベルまでの教育期間も踏まえておきましょう。

また、一部からスモールスタートするのも有効です。部分的に活用していくことで、現場の混乱を防ぎ、定着化を図りやすくなります。


④実行と検証を繰り返し行う

3D設計の導入は一度で定着するものではないため、PDCAを繰り返し、定着化させることが大切です。以下のように、実行と検証を繰り返しましょう。


▼PDCAサイクル例

  • スケジュールと設定した目標を基に実際に業務で3D設計ツールを使う
  • 目標に対する達成度を確認する
  • 達成できていない場合は工数の調整や再教育などの改善を行う



まとめ

2D設計では、製図内容を正しく理解するための専門知識が求められるほか、認識を共有するための試作品の作成が必要とされます。また、設計後の修正に即座に対応することが難しいという性質もあります。

3D設計を導入すれば、2D設計ならではの課題解決が可能です。その際は課題の洗い出しや全体の最適化を考慮した目標を設定し、実践に落とし込めるようなスケジュールを策定しましょう。そのうえで実行と検証を繰り返し、定着化を図ることが大切です。

しかし、3D設計ツールを導入しても、「なかなか3D化できない」というケースもあるのではないでしょうか。このようなケースにお悩みなら、3D化をサポートするサービスを利用する方法も有効です。

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