RPOとは? 自社採用に導入するメリットとデメリットを解説
近年、RPO(Recruitment Process Outsourcing)という単語を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。RPOはアウトソーシングの一つで、採用業務をアウトソースすることをいいます。
紹介された人材の入社決定時に成果報酬を支払う人材紹介とは異なり、委託する採用業務に応じて費用を支払うのがRPOです。
RPOは上手に活用すると大きなメリットを得られます。ただし、導入すれば採用に関する業務がすべて自動的にうまくいくわけではありません。ここでは、RPOの導入を検討するにあたって知っておきたいメリット・デメリットについて解説します。
目次[非表示]
- 1.RPO(採用代行)サービスとは?
- 1.1.委託できる主な業務
- 1.2.RPOが注目されている理由
- 2.RPOのメリット
- 2.1.人事担当者がコア業務に集中できる
- 2.2.採用業務を効率化できる
- 2.3.採用市場で勝つためのノウハウを活用できる
- 3.RPOのデメリット
- 3.1.RPOベンダーの実力次第で成果が変わる
- 3.2.業務代行のため割高になる可能性がある
- 3.3.連携不足によってミスマッチが発生する
- 4.まとめ
RPO(採用代行)サービスとは?
RPOとは、企業から採用業務の委託を受け、企業が求める人材を採用できるように支援するサービスです。RPOサービスを提供するRPOベンダーは、単に採用に伴う業務を代行するだけでなく、委託を受けた企業の人事課題を解決するパートナーとしても活動します。
委託できる主な業務
RPOベンダーには、採用課題を解決するために募集企画の立案、求人媒体の選定、求人ページに掲載する原稿の作成、応募者管理、応募者との面談や面接の手配などを委託することができます。
各応募者個別に対応が必要など、ボリュームが多く煩雑なオペレーション業務を委託すれば、人事担当者の工数負担を削減し、業務効率化につながります。
RPOベンダーは多くの企業で採用活動をサポートしているプロフェッショナルであるため、選考プロセスの改善、面接設定率や採用率の向上させるノウハウを蓄積しています。「自社で採用を行おうとしても思うように採用できない」「採用後にミスマッチが生じやすい」などの課題を改善できます。
RPOが注目されている理由
少子高齢化により日本の人口が減少していくなか、優れた人材を採用できるかどうかが企業の命運を分ける時代になっています。欲しい人材は他社との採用競争に勝たなければ確保することができません。
RPOは、このような状況下で採用競争力を向上させたい場合に適した手段です。
自社だけでなくRPOベンダーのノウハウを合わせることで、採用力の強化が期待できます。
出典:総務省統計局『人口推計(令和3年(2021年)1月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)6月概算値) (2021年6月21日公表)』
RPOのメリット
RPOサービスを活用すれば、企業の採用担当者の業務は最終面接や採用の最終的な判断に絞られます。そのため、担当者の負担を軽減しつつ、企業が必要とする人材を採用することが可能です。
人事担当者がコア業務に集中できる
RPOサービスを活用する大きなメリットは、人事担当者の負担を軽減できることです。
ひと口に採用業務といっても、その業務内容はさまざま。企業の方針を左右するような重要な判断がある一方で、応募者管理といった煩雑でアウトソーシングが可能な業務もあります。
RPOサービスを活用することで、人事担当者は自社でしかできないコア業務に集中することができ、経営戦略に沿った採用業務を行うことが可能になります。
採用業務を効率化できる
自社ホームページや求人ナビサイトだけでなく、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用など、採用チャネルも多角化しています。求職者に対するアピールにおいても、採用イベントの開催や求人媒体への出稿だけでなく、SNS・動画サイトなどの活用が一般的になりつつあります。
採用チャネルが多角化する状況で重要なのは、「応募者に適したチャネルは何か」「どのようにアピールしていけばよいのか」などの戦略・戦術を適切に立てることです。
RPOサービスを活用すれば、採用ニーズに合わせたチャネル戦略・戦術のプランニングも依頼できます。専門的なノウハウのもと、ニーズに合わせて採用チャネルやプロセスを最適化することができるため、効率よく採用業務を進められます。
採用市場で勝つためのノウハウを活用できる
RPOベンダーの持つ豊富なノウハウを採用業務に活用できるのも大きなメリットです。
新型コロナウイルス感染症対策も後押しし、オンラインでの就職活動が一般化しつつあることからも分かるように、求職者の就職・転職活動は時代とともに移り変わっています。
採用代行に特化したRPOサービスだからこそ、自社の採用では対応が難しい時代の変化に順応した採用活動が可能です。採用業務の質を向上し、ひいては多様化する採用市場で勝ち抜くことが期待できます。
RPOのデメリット
RPOを活用することで採用活動をより機動的にすることができます。しかし、RPOサービスを活用すればすべてうまくいくわけではありません。
デメリットや注意点を知り、デメリットが生じないように利用することがRPOサービスの活用を成功させるカギとなります。
RPOベンダーの実力次第で成果が変わる
RPOベンダーは企業の根幹となる採用業務を代行するため、RPOベンダーの実力次第で採用できる人材の質が左右されます。
単に業務を作業的に委託するのではなく、自社の採用計画・経営方針を的確に理解し、それらを形にしてくれるRPOベンダーを選びましょう。
業務代行のため割高になる可能性がある
RPOサービスを活用する場合、委託費用がかかります。費用は委託した業務について発生するため、採用人数によっては割高になる可能性もあります。
自社の採用業務に現在どれだけのコストがかかっているかを確認し、アウトソーシングするメリットを明確にしたうえで活用するのが望ましいです。
RPOベンダーとしっかり連携し、適切な業務を切り出して委託することで、無用なコストをかけることなくRPOサービス活用の効果を享受することができます。
連携不足によってミスマッチが発生する
一度RPOベンダーに委託すれば、都度依頼をしなくても委託した業務を行ってくれることはRPOのメリットです。
しかし、採用業務を丸投げできるといった意識で委託すると、求める人材とのミスマッチが発生する可能性が出てきます。
自社がどのような課題を抱え、それを解決するためにどのような人材を求めているのか。また、どのような基準で選考するのかを明確化してRPOベンダーと共有することが大切です。
まとめ
RPOサービスを活用する目的は、採用にまつわる業務のアウトソースによる効率化だけでなく、採用のプロとタッグを組んで自社の採用競争力を強化することにもあります。単に「業務が煩雑だからアウトソーシングすればいい」との考えでRPOサービスを活用しても、イメージどおりの成果を上げることは難しいでしょう。
採用業務の効率化や採用市場を勝ち抜くノウハウの活用といったメリットを得るためには、自社の採用工程や採用コストを見直し、アウトソーシングによって改善が望めるかどうかを判断することが大切です。
パーソルエクセルHRパートナーズが提供するRPOサービスは、約15年以上にわたって培った人材採用・人材紹介のノウハウを活かし、企業が抱える人事課題に一貫して対応いたします。
これまで、多様な業種・募集職種で実績を積み、多くの企業さまに課題解決のためのソリューションを提供してきました。採用ニーズに合わせたオペレーション構築・業務の見える化など、採用業務をトータルサポートします。自社の採用競争力を強化したいという企業の人事担当者さまは、ぜひお気軽にご相談ください。