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モデリングサービス活用で紙図面・2Dデータの3D化を促進!

製造や設計などの分野において幅広く活用されている3Dデータ。製図を3D化して立体的に構成できるため、より高精度・高品質な設計が可能になりました。

しかし、「紙図面・2D図面を3D化するのに労力がかかる」「人的リソースが足りずに急な依頼に間に合わない」など、モデリング作業が懸念となり、3D化に踏み切れないケースもあるのではないでしょうか。

作業コストを削減し、クオリティ向上のためのコア業務にリソースを使うためには、モデリング作業をアウトソーシングするのも有効です。本記事では、紙図面・2D設計における課題をはじめ、3D化による解決策、モデリング作業を外部に依頼できるサービスについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.紙図面・2D図面における課題
  2. 2.設計期間の短縮を実現する主な要素
  3. 3.設計期間を短縮できる3つのプロセス
  4. 4.構想設計~詳細設計~出図で工期短縮を阻害する要因
  5. 5.紙図面・2D図面の3D化により工期短縮を実現
  6. 6.まとめ


紙図面・2D図面における課題

製造現場で3Dデータの活用が進むなか、設計部門のなかにはいまだに紙図面や2D図面に依存しているケースがあります。紙・2D図面による主な課題は以下の3つです。


①人材不足
 複数図面の作成に労力・工数がかかり、人材が不足しやすい

②労働時間制限
 図面作成・修正・検証などさまざまな設計プロセスに時間を要し、残業や長時間労働が発生する

③QCDSの最大化
 設計ミスや修正の手戻りで非効率となり、設計期間・コストなどが増加する

なお、QCDSとは製品を評価する指標のことです。評価基準となる4つの項目の頭文字からこのように呼ばれています。


▼QCDSの4項目

  • Q(クオリティ):品質を維持できているか
  • C(コスト):適正価格で提供されているか
  • D(デリバリー):納期が守られているか
  • S(サービス):顧客に対して十分なサービス・サポートができているか

これらの課題を解消するには、設計期間短縮を優先した業務改革が必要です。



設計期間の短縮を実現する主な要素

課題を改善して、QCDSの最大化につなげるには以下の要素で設計期間短縮を図る必要があります。


▼QCDSの最大化に求められる要素の例

  • 事前デザインレビュー※1による設計手法の構築
  • 顧客・関連部門との認識齟齬(そご)による再設計の防止
  • 設計確認・再加工・再組立業務の回避
  • 自動化による業務効率化
  • 属人業務から組織業務への変換

次に設計プロセスごとの短縮可能な箇所について解説します。

※1・・・デザインレビューとは、開発や設計の成果物を審査する機会のこと。



設計期間を短縮できる3つのプロセス

設計期間を短縮できる具体的なプロセスは以下の3つです。


①引き合い~受注
 製品制作の問合せ、見積もり交渉、受注処理などのプロセス

②構想設計~詳細設計~出図
 製品の企画、仕様決定から始まり、部品・形状・システムの設計を行う品質検証などを経た後、図面作成に至るプロセス

③調達~据付
 製造に向けて部品・機材の調達、設備組立、据付を行うプロセス

このうち、②のプロセスはもっとも労力や時間を要します。この部分に3Dを導入することで、設計期間を大幅に短縮することが可能です。



構想設計~詳細設計~出図で工期短縮を阻害する要因

工期短縮を実現するためには、上述した“構想設計~詳細設計~出図”のプロセスでの改善を優先するのが望ましいです。これらのプロセスでは、以下のような要因が工期短縮を妨げている可能性があります。


▼構想設計

  • 干渉、動作検証が不十分
  • 勘や経験に依存していて設計根拠が曖昧
  • 属人性があり流用性が低い
  • 帳票類の作成に時間がかかる
  • 手作業によるケアレスミスが発生する


▼詳細設計

  • 部品図へのバラシ作業が非効率
  • 複雑な加工指示で図面作成が困難
  • 編集業務に時間がかかる
  • 手作業によるケアレスミスが発生する


▼出図

  • 原紙押印作業ロス
  • コピー時間をはじめとしたな作業が残る
  • 原紙の保管、管理の不備によるミス

これらのプロセスに3Dデータを活用すれば工期短縮を阻害する要因を取り除くことも可能です。

また、立体的に可視化することでだれもが分かりやすくなるほか、試作品の作成前に改善・検証を行えるようになります。手戻りが発生するのを防止し、コスト削減にも効果が期待できます。



紙図面・2D図面の3D化により工期短縮を実現

紙図面・2D図面で発生するさまざまな課題は、3D化によって改善を図ることができます。ここではその例を紹介します。


▼紙図面・2D図面の課題と3D化による効果の例​​​​​​​

紙図面・2D図面の課題
3D化により期待できる効果
設計者の構想力・スキルに依存している
  • 設計を標準化できるため、属人化を解消できる
  • 品質を均一に保ちながら技術を継承できる
構想段階で完成をイメージしにくい
  • 構想段階で完成形を立体的に把握できる
  • 直観的に理解できるため、構想初期段階での再考案を防げる
設計内容を十分に理解されずに、導入後の指摘や手直しが発生する
  • 形状・構造を立体的かつ多角的に確認できる
  • 設計意図を明確に伝達できるため、導入後の指摘や設計変更を防げる
強度・体積・重量などの割り出しが難しい
  • 強度・体積・重量などのさまざまな要素を割り出せる
  • 干渉部位や設計不良を検証して設計ミスや手戻りを減らせる
動作イメージがつきにくく、サイクルを検証できない
  • 動作解析や性能テストを実施できるため、精度の高い設計が可能
  • 試作品の作成回数、製造後の修正回数を削減できる
設備サイズのイメージがつかみにくい
  • あらゆる視点から部品・構造のサイズや位置関係を把握できる
  • 完成時のサイズ感をイメージしやすい
部品図や購入品の手配ミスが発生することがある
  • D設計データをもとに、部品や機材などを適切に発注できる
  • 手作業によるミスを防止できる
図面を修正する際、三面図の修正に手間がかかる
  • 全体の構造や干渉をチェックしつつ、柔軟に修正・変更ができる
  • 修正・設計変更に対応しやすく、作業負荷の軽減や業務の効率化につながる


このように、図面を3D化することでさまざまな課題を解決へ導き、工期短縮へとつなげられます。



まとめ

紙図面・2D図面による設計は、人手不足や長時間労働を招くほか、設計コスト、リードタイムの増加などの課題があります。これらの課題を解消する際のカギとなるのが、構想設計から出図までに発生するプロセスの短縮です。

設計図面の3D化すると、設計品質や業務効率の向上、修正対応の負荷の低減などが期待できるだけでなく、工期の短縮につながります。

パーソルエクセルHRパートナーズでは、PDFや紙図面などを3Dのデジタルデータに変換するモデリングサービスを提供しています。3D化を実施するためのノウハウや人材が不足している場合でも、当社に委託することで3D化の促進・定着を進めることが可能です。

また、今後自社で3D化に対応できる人材を育成したいという企業さまに向けた教育・研修のサポートも行います。

「設計期間を短縮したい」「工数のかかりやすいモデリングを委託してコア業務に専念したい」「図面資産を3D化したいけれど人材が不足している」という場合はお気軽にご相談ください。当社のモデリングサービスで支援いたします。

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