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競合他社に負けない採用フローの作成と見直しの方法

少子高齢化が進むなか、優秀な人材の確保は企業にとって大きな課題の一つです。継続的な事業発展のためには、激化する採用競争を勝ち抜ける採用戦略が必須ですが、得られる成果を確実なものにするには採用フローの構築が不可欠といえます。

近年は求人誌への掲載に留まらず、リファラル採用やダイレクトリクルーティングなど採用手法の多様化も進んでいるため、従来の採用フローについても適宜見直し、アップデートしていくことが大切です。

ここでは採用フローの基礎知識とフロー作成のポイントについてご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.採用フローとは
  2. 2.採用フローの作成目的
    1. 2.1.①進捗管理
    2. 2.2.②情報共有
  3. 3.採用フローのつくり方
    1. 3.1.①募集(母集団形成)
    2. 3.2.②選考
    3. 3.3.③内定後フォロー
  4. 4.採用フローのパターン
    1. 4.1.新卒採用のパターンとポイント
    2. 4.2.中途採用のパターンとポイント
  5. 5.採用フローをつくる際のポイント
    1. 5.1.①公正な採用選考を行う
    2. 5.2.②各フェーズの移行率を記録して改善する
    3. 5.3.③Web面接を取り入れる
  6. 6.まとめ


採用フローとは

採用フローとは、人材の募集から入社に至るまでの一連の採用活動のことです。経営計画・事業計画をもとに策定された採用計画を実行するために作成されます。

採用フローは新卒採用か中途採用か、どのような職種・役職の募集か、採用人数などによっても異なります。コストをかけて採用活動を行っていても思いどおりの結果が出ないときは、現在の採用フローを見直して最適化することが重要です。



採用フローの作成目的

採用フローを作成する目的は大きく分けて2つあります。


①進捗管理

1つ目は採用活動の全体を把握して進捗管理をスムーズに行うことです。

ただし、一連の流れを書き出すだけではなく、自社や競合他社・業界の状況、社会情勢などに合わせて現在の採用フローの問題点を抽出し、つねにアップデートしていく必要があります。


②情報共有

2つ目は社内での情報共有を円滑に行うことです。

採用活動では、人事担当者だけではなく、経営陣や各部門・部署の関係者との情報共有が欠かせません。社内関係者全員が採用フローを共有・理解することでスムーズな連携を可能にします。



採用フローのつくり方

採用フローは採用計画にもとづいてつくります。はじめに行うのは経営計画や事業計画を達成するための採用計画の策定です。

採用人数、採用活動の期日、求める人物像や求める保有スキルなどを洗い出したうえで採用計画を企画、のちに採用フローを作成します。

採用フローは大きく『募集・選考・内定後フォロー』の3つのフェーズに分けられます。ここでは、これら3つのフェーズごとに採用フローの例を見ていきましょう。


①募集(母集団形成)

まず、採用活動において行わなければならないのが自社の求人に興味関心のある人を一定数確保することです。これを母集団形成といいます。

募集方法は、Web求人媒体への掲載、スカウトサービスの登録、会社説明会の開催のほか、SNSを用いた広報活動などです。自社が必要とする人材を効率よく見つけるためにどのような方法が適切であるかを検討したうえで募集方法を決定しましょう。


②選考

母集団形成を行ったのち、選考を開始します。ここでは書類選考や面接、試験を経て内定通知を行います。応募者が自社に必要な人材であるかを見極めるためにもっとも重要なフェーズです。

たとえば、新卒採用の場合は、応募者が現在保有するスキルや資格よりも、これから習得するスキルや成長意欲などへの期待が重視されます。そのため、面接の回数を増やして意欲や適性をはかることが望ましいでしょう。

これに対して中途採用は、自社が必要とするスキルを持ち即戦力となる人材の採用が中心です。応募者が自社の求めるスキルや経験を持っているかを確認するために、必要に応じてWeb適性検査やオンライン面接、AI面接、コンピテンシー面接などの手法を取り入れましょう。


③内定後フォロー

募集・選考と段階を進めたものの、内定後に辞退されてしまうと採用は失敗に終わってしまいます。辞退率を低下させるためには内定後のフォローが重要です。

新卒採用の場合の内定後フォローは、定期的な連絡のほか、内定者研修・先輩とのランチ会・面談・内定式などが一般的です。

中途採用の場合は内定者が前職との雇用契約期間中のこともあるため内定式を行わないことも多く、研修は入社後に行います。

新卒採用・中途採用のいずれのケースでも、内定者を歓迎していることをアピールし、入社までの不安を取り除くような配慮が大切といえます。

採用活動は、内定通知を送れば採用完了ではありません。重要なのは、採用した人材が自社に貢献してくれるかどうかです。採用活動を成功に導くためには、採用後の入社から定着までを考慮した採用計画を立てたうえで採用フローをつくりましょう。



採用フローのパターン

ここでは、新卒採用と中途採用のフロー例とポイントを解説します。


新卒採用のパターンとポイント

新卒採用の採用フローを作成した場合、以下のような流れになります。



  1. 求人募集開始
  2. 会社説明会(オンライン・オフライン)
  3. エントリーシート選考
  4. 筆記試験・適性試験
  5. 面接
  6. 内定
  7. 入社


新卒採用で重要なのは、母集団に自社を認知してもらい魅力的な企業であると思ってもらうことです。自社の企業理念や企業目標に納得したうえで応募してもらえるよう、採用計画立案時にオフラインまたはオンラインの会社説明会への参加やソーシャルメディアの活用についても検討してフローに組み込みましょう。

なお、新卒採用の面接は2~3回程度行うのが一般的です。内定通知の方法・時期は企業によって異なります。


中途採用のパターンとポイント

中途採用の採用フローを作成した場合の流れは以下のとおりです。


  1. 求人募集開始
  2. 書類選考
  3. 適性検査
  4. 面接
  5. 内定
  6. 入社


中途採用は新卒採用と異なり、ポテンシャル採用ではなく即戦力採用を目的とすることがほとんどです。

そのため求人募集については、求職者からの応募を待つほか、転職エージェントサイトでスカウトするといった方法も検討が必要になります。

一定の適性検査や筆記試験を実施するケースもありますが、一般的にはこれまでの実績やスキル、経験が評価点の多くを占めます。

特に役職者としての採用の場合は、面接以外にもコミュニケーションの機会を数回設けるなどミスマッチを防止する配慮が重要になるでしょう。 



採用フローをつくる際のポイント

採用フローを作成するときは、公正さを保つことはもちろん、新しい採用方法の導入やフローの改善も欠かせません。ここでは、フロー作成時のポイントを3つ紹介します。


①公正な採用選考を行う

採用フローを構築する際は、間口を広くして募集しつつ、選考を通じて必要な人材に絞り込むことを意識しましょう。

厚生労働省は、雇用条件・採用基準に合ったすべての人が応募できる原則を確立することを企業に求めており、雇用する側が公正な採用選考を行う必要があるとしています。

適性や能力とは関係ないことがらで採否を決定したりしないように、身元調査や現在の居住地など、就職差別につながる事項は採用フローに組み込まないようにしましょう。公正でない採用選考は法律違反となる恐れもあるほか、企業評価の低下にもつながります。

出典:厚生労働省『公正な採用選考の基本


②各フェーズの移行率を記録して改善する

応募率・書類提出率・面接参加率・二次面接移行率などのデータは必ず記録しましょう。

記録を残すことにより、応募から入社までの採用フローのうち、どこに改善の余地があるかが見えてきます。

問題点が見えない、解決策が分からない場合は、人材採用に特化した企業にコンサルティングを依頼すれば、どのフェーズに問題があるのかを見つけやすくなります。各フェーズの問題点を検証して、採用活動の成功につなげましょう。


③Web面接を取り入れる

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、採用活動にWeb面接を取り入れた企業が多く見られました。Withコロナ社会の今、Web面接を単なる対面面接の代用ではなく、将来主流となる手法と捉えて、早いうちから採用フローに組み込むことが望ましいといえます。Web面接のノウハウがない場合はコンサルティングを依頼することも有効です。



まとめ

採用フローは採用活動の全体を把握・管理して、社内でのスムーズな連携を実現するために必要です。ただし、採用フローの作成自体が目的ではなく、経営計画・事業計画を達成するために理にかなったシステムでなければなりません。

一連の採用フローを管理して応募者対応を行うためには、膨大な時間や労力が必要です。

パーソルエクセルHRパートナーズが提供するRPOサービスでは、母集団形成から内定後フォローまでの業務を委託することができます。採用活動に関わる煩雑なオペレーション業務を委託することで、コア業務に集中できるようになります。

また、Web選考会運営や採用コンサルティングサービスも提供しています。採用活動にお困りの企業さまはぜひご検討ください。

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