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属人化した設計業務の問題点と標準化するメリット

技術や知識を要する設計業務は属人化しやすい業務の一つです。設計業務が属人化することで、さまざまな問題が発生します。

たとえば、若手が担当すると品質の担保が難しくなるものの、ベテランの担当者に頼ってしまうと業務が属人化してしまいます。実際、一部の担当者に業務が偏ってしまうという課題を抱えている企業さまも多いのではないでしょうか。

本記事では、設計業務の属人化によってどのような問題が発生するのか、また解消することによってどのような業務メリットがあるのかについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.設計業務が属人化することによる問題
    1. 1.1.トラブル対応
    2. 1.2.業務効率の低下
    3. 1.3.手戻り件数の増加
    4. 1.4.技術承継
  2. 2.属人化の解消(設計業務の標準化)によるメリット
    1. 2.1.品質の安定化
    2. 2.2.工数削減
    3. 2.3.納期短縮とゆとりある業務の推進
  3. 3.設計業務の標準化方法
    1. 3.1.システム化
    2. 3.2.3DCADの導入
  4. 4.まとめ


設計業務が属人化することによる問題

設計業務が属人化すると、業務について特定の担当者しか分からない状況をつくり出してしまいます。たとえ現状では問題がないとしても、属人化にはさまざまなリスクが潜んでいるため、注意が必要です。


トラブル対応

属人化した業務でトラブルが発生しても、担当者以外は対応できません。即座に対応できずに業務すべてがストップしてしまうこともあります。


業務効率の低下

属人化している現場では、修正業務が発生するたびに一部の担当者による確認作業が必要になるということです。

このような状態では労力と時間がかかるうえに、担当者自身も時間を取られるため、全体の生産効率が下がってしまいます。


手戻り件数の増加

属人化によって業務がブラックボックス化すると、担当者以外が改善点やミスを見つけられない閉じた環境に陥ります。

客観的なチェックを行えないため、品質を担保できずに手戻りが発生しやすくなります。


技術承継

担当者が特定の業務だけを行っていると、若手に技術が承継されません。そのような状態で担当者が離職した場合、蓄積した知識や技術が企業から失われる可能性も考えられます。

技術の承継に関しては、育成できない担当者と育成のための時間を確保できない企業、両方の問題だといえます。



属人化の解消(設計業務の標準化)によるメリット

属人化を解消するためには、設計業務の標準化が効果的です。

設計業務の標準化とは、部品やユニットにおける仕様や属性に関する設計意図を明確にすることです。具体的にどのようなメリットがあるのか、以下で解説します。


品質の安定化

設計業務が標準化されると、担当者が誰であるかにかかわらずに一定の品質を保った設計書が作成できるようになります。

トラブルが発生しても特定の従業員以外ですぐに対応できるため、品質の安定化を図ることが可能です。


工数削減

設計の作成方法を標準化することにより、設計業務の効率化が実現します。

さらに、作成した図面を標準図面として公開すると制作手配の効率化も可能です。類似品の設計であれば過去の図面が流用できるため、工数の削減につながります。


納期短縮とゆとりある業務の推進

設計業務の標準化によって品質が安定すれば、手戻り作業が削減できてスムーズに納品できるようになります。

業務が人に依存することなく進むため、確認作業の影響を受けにくくなり、ゆとりを持って業務に取り組むことができます。



設計業務の標準化方法

設計業務の標準化を進めるためには、多くの時間と労力を割く必要があります。

しかし、システムやツールを効果的に活用すれば、標準化がスムーズかつ効率的に進められます。


システム化

業務をシステム化して関連資料を一元管理する方法です。過去の図面を必要なときにすばやく参照できる環境を整えれば情報をすぐに流用できるようになり標準化につながります。

また、過去の情報が簡単に参照できれば、図面につまったベテラン設計者のノウハウも承継しやすくなります。

さらに、情報を一元化して共有できれば、設計業務に関わる部門だけではなく全体の業務効率化が図れます。たとえば、設計に修正が必要な場合でも部門を跨いだ迅速かつ適切な対応が可能です。


3DCADの導入

設計を行う現場や部署に3DCADを導入すれば、設計業務の標準化に役立ちます。2DCADでは平面で設計図を表現するため、立体的に制作物を見ることが困難です。部品同士の干渉や設計不良を見落としやすいというデメリットがあります。

また、設計者の力量に左右されることにより設計業務の標準化が進みません。その点、3DCADでは立体的に全体をとらえることができるほか、パーツごとに属性情報を与えられます。干渉チェックも可能なため、設計品質の向上が期待できます。類似部品の検索や形状比較がすぐにできることも3DCAD導入のメリットです。



まとめ

高度なスキルを持った人材がいることは企業にとっての強みです。ただし、その人材に業務が偏っていたり、その人がいなければ業務が進まなかったりする属人化した状況は生産効率の低下、不安定な品質、若手人材の技術力不足といったリスクにつながります。

属人化の解消には、設計業務の標準化が効果的です。設計業務が標準化できれば、業務が滞りなく進められるほか、技術の継承によって品質も担保できるようになります。

そのためには、設計業務のシステム化や3DCADの導入を検討しましょう。自社のみで3Dへの移行が難しい場合には外部サービスを利用する方法もあります。

パーソルエクセルHRパートナーズでは、2Dから3Dへの移行をトータルサポートしております。さらに、モデリング受託サービスではPDFや紙図面などの図面資産を3Dデジタルデータ化することも可能です。ぜひ当社のサービスをご検討ください。

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