外国人エンジニアの離職率を下げて定着させる具体的な方法
あらゆるシーンでデジタル化が進んでいる現在、エンジニア不足は重要な課題となっています。
しかし、エンジニアの業務は専門性が高く、すぐに身に付けられるようなスキルではありません。エンジニア不足を解消するため、日本人のエンジニアに加え外国人のエンジニア採用をさまざまな企業が開始、検討しています。
一方で、外国人エンジニアは離職率が高い点が不安視されています。本記事では、外国人エンジニアを採用する際の注意点や定着させるための具体的な方法を紹介します。
目次[非表示]
- 1.国内エンジニア不足に伴い、急増する外国人エンジニア
- 2.外国人エンジニア採用の注意点
- 3.外国人エンジニアの離職率を下げる具体的な方法
- 3.1.面接で説明する事項
- 3.2.コミュニケーション体制を整える
- 3.3.生活環境を整える
- 4.まとめ
国内エンジニア不足に伴い、急増する外国人エンジニア
国内のエンジニア不足が続くことが予想されるなか、さまざまな企業の関心が寄せられているのが外国人エンジニアの雇用です。
すでに外国人エンジニアを採用している企業もあり、その数も年々増加しています。厚生労働省の『「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和2年10月末現在)』によると、外国人エンジニアが該当する在留資格のうち、情報通信業の労働者数は50,639人、製造業は52,935人という結果となっています。
しかし、高度な技術を持つ外国人エンジニアの獲得に関心を寄せているのは日本に限ったことではありません。世界的に人材の争奪戦が激化していることも課題となっています。
出典:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和2年10月末現在)』
外国人エンジニア採用の注意点
外国人エンジニアを採用する際は、日本人エンジニアとは異なる配慮が必要です。
たとえば、契約内容を外国人エンジニアが明確に理解できるようにする必要があります。厚生労働省の『外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針』では、以下のように記されています。
事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付すること
引用先:厚生労働省『外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針』
法令上、就業規則を外国人エンジニアの第一言語に応じて作成する義務はありません。しかし、外国人エンジニア向けに個別に作成することで就業後のトラブルを回避できます。
特に、条件面・給与・業務内容・勤務地・福利厚生については、事前に説明したうえで了承を得るようにしましょう。また、優秀な人材ほど、よりよい報酬や環境を求める傾向にあります。技術や能力に見合った条件を提示できるように、相場を把握することも重要です。
出典:厚生労働省『外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針』
外国人エンジニアの離職率を下げる具体的な方法
外国人エンジニアを定着させるためには、何よりお互いを知る努力が重要です。
たとえば、外国人エンジニアは終身雇用の意識が希薄な傾向にあることを理解しましょう。そのうえで社内の制度やコミュニケーション体制などを検討する必要があります。
面接で説明する事項
国内エンジニアに関してもいえることですが、就業後のミスマッチを防ぐために面接の段階で配属理由・役割、評価項目、昇進・昇給条件、キャリアプランや育成方針などをしっかりと説明することが大切です。
また、成果と生産性のバランス、それに対する評価基準を明確にして、目標管理体制を整えることは外国人エンジニアの定着に欠かせない事項といえます。
そのほか、宗教や生活習慣への配慮について会社としてできることを伝えること、エンジニアの要望を確認することも重要です。フレックスタイムの導入、リモート勤務の活用など、会社の制度についても詳しく伝えておきましょう。
コミュニケーション体制を整える
外国人エンジニアの採用においては、双方が円滑にコミュニケーションを取れる体制づくりも欠かせません。
たとえば、受け入れてほしい業務上の社風があれば随時教育していく必要があります。そのためには、配属先における受け入れ意識や環境・相談体制の整備が求められます。
社内コミュニケーション、ビジネスマナーなどのサポートを行えるようにしましょう。外国人エンジニアが制度や人間関係などについて気軽に相談できる人材を配置することも大切です。
生活環境を整える
住居や通勤手段など、住環境の整備も必須です。銀行口座の開設支援をはじめ、諸手続きをサポートする体制が求められます。
そのほか、家族に対するサポートも視野に入れましょう。外国人エンジニアが安心して働ける環境を整えることで満足度が向上し、定着率向上にもつながります。
まとめ
外国人エンジニアを初めて採用・雇用する際は、労働環境やコミュニケーション体制、生活環境の整備が必要です。採用にあたっては、在留資格、就労ビザの確認や各機関への届け出も必須となります。
しかし、せっかく採用してもすぐに離職されてしまうこともあります。そのため、外国人エンジニアの採用をためらっているという企業さまも多いのではないでしょうか。
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