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【企業向け】技術者派遣とは?種類や人材の特徴、メリット・デメリットを解説

技術者派遣は、急速な技術革新が進むなかで流動的な人材活用ができる手段として、以前から製造業やIT系企業を中心に広く利用されています。

現在では慢性的な人材不足が続き、専門技術を持った人材を即採用できる技術者派遣の役割はさらに大きくなり、人事戦略として不可欠なものになっています。

この記事では、そんな技術者派遣を検討する際に役立つ基礎知識として、種類や人材の特徴、メリット・デメリットなどをまとめました。


技術者派遣とは 

技術者派遣は、派遣会社が自社の常用社員、または登録スタッフの中から、条件にあうエンジニアを企業へ派遣する仕組みのことです。エンジニア派遣とも呼ばれます。大きく分けると機電系とIT系があり、それぞれメーカーやIT企業で活用されています。


技術者派遣の種類

技術者派遣に限らず、人材派遣には「常用型」と「登録型」の2種類があります。2015年の労働者派遣法改正前は、それぞれ「特定労働者派遣」「一般労働者派遣」と呼ばれていました。現在では事業区別は廃止、どちらも同じ許可制となりましたが、スタイルは分かれて存在しています。

簡略化した通称として、常用型は「無期」、登録型は「有期」の派遣と呼ばれることもあります。

常用型派遣

派遣会社に常用雇用されているスタッフが派遣される形式が、常用型派遣です。派遣会社とスタッフは無期限の雇用契約を結んでおり、派遣先がない期間もスタッフに給料が支払われています。登録型派遣と異なり、派遣先の同一部署への派遣可能期間を3年に制限する、いわゆる“3年ルール”はありません。ですので、3年を超えて同じ会社、同じ部署で働き続けることも可能です。

技術者派遣では「専門性の高い技術者」が常用型で派遣されています。設計や開発などの上流工程、また特定の分野で替えがきかない技術など、コア人材としてのニーズが多くなります。

登録型派遣 

登録型派遣は、派遣会社に登録しているスタッフから条件に合う人材を有期雇用で派遣する形式です。契約がない期間は雇用関係が存在せず、スタッフに給料は支払われません。

派遣会社と派遣先企業の間は「派遣契約」、スタッフと派遣会社の間では「雇用契約」が結ばれます。通常、双方の契約期間は同じであることが多く、3ヶ月や半年ごとに契約更新を行います。

技術者派遣における登録型の利用目的はさまざまですが、短期間のスポット的な人材補充、開発の詳細設計以降の工程などに利用されることが多い傾向にあります。

派遣期間については、30日以内の派遣(日雇派遣)は禁止、また期間制限により、派遣先の同一事業所では最長3年まで、といった決まりがあります。※どちらも例外要件あり



技術者派遣のメリット・デメリット 

企業が技術者派遣を利用する目的は、「即戦力の人材を、必要な時間だけ、かつ迅速に確保できる」点に集約されます。すべてを満たすのが理想ですが、仮にこれらのうち1つが実現するだけでも、採用・教育・管理の工数を大きく減らすことができます。

技術者派遣で具体的に得られるメリットとして、以下のものがあります。

採用コストをかけずに人材を確保できる

技術者の人材不足については、改めて議論の必要はないほど、慢性的に逼迫した状況が続いています。少子高齢化による就労人口の減少や、過去にあった生産拠点の大規模な海外移転など原因はさまざまで、「これさえ解決できれば」という単純なものではありません。有名企業であっても必要な数の技術者を採用するのは年々難しくなっています。

人材を募集する企業は、あの手この手で技術者の争奪戦を行っており、大学へのリクルーティングや求人広告などの従来型手法から、SNSやビッグデータ、AIを駆使した採用活動まで、次々と手法を進化させています。

これらの採用手法にはそれぞれにノウハウがあり、なかには高度なスキルが必要なものもあります。すべての採用活動を自社だけでまかなうのは困難で、かつ多大なコストがかかります。技術者派遣を利用する場合、派遣会社が技術者を確保するため、これらの採用コストがかからないメリットがあります。

教育にかかるコストを削減できる

社員を採用し、育成していくには時間と工数がかかります。業務に必要な知識・スキルを身につけるための研修のほか、技術者のキャリアプランを形成し促していく必要もあり、人材育成に熱心な企業ほど人事部や現場の管理職には大きな負担がかかっています。

長期にわたる技術者派遣では、この人材育成にかかるコストが削減できるのもメリットです。そもそも派遣契約時に即戦力の人材を選べるのはもちろん、その後の育成に関しても、教育訓練やキャリアコンサルティングは派遣元が講ずる措置とされています。教育の機会提供や、面談の実施にかかるコストが下がるので、現場の負担を大きく軽減できます。

実際には派遣元からの教育機会提供だけでなく、派遣先企業が行う社員研修や勉強会への参加など、自社社員と一体感を持てる仕組みと並行する方が業務遂行はスムーズですが、派遣会社からの細やかなフォローは工数削減の大きな助けとなります。

チーム派遣なら管理コストも削減できる

派遣スタッフと雇用契約を結んでいるのは派遣会社ですが、仕事の指揮命令者は派遣先企業となります。そのため具体的な業務指示や勤怠管理、マニュアルの整備などは、派遣先企業で対応する必要があります。

勤務する派遣社員が増えると、業務内容によっては個別の指導や指示、質問対応が必要となり、管理が煩雑になりがちです。そのまま放置すると、現場で対応する社員の業務を圧迫し、自社の工数負担がむしろ増えるという事態も起こりえます。

この状態を解消できるのがチーム派遣です。

チーム派遣では、派遣リーダーが他の派遣スタッフへの指示伝達や業務管理を行うため、現場管理者の工数を削減できます。さらに、チーム内のフォローや新しく入ったメンバーの教育も派遣リーダーが行うため、定着率の向上も期待できます。

技術者派遣の場合は、将来の請負化に向けたブリッジとしてチーム派遣を利用するケースも多く見られます。請負とは違い指揮命令者は派遣先企業のままなので、派遣スタッフヘの直接指示が可能で、また仕様変更にも柔軟に対応できる点もメリットです。

定着率の問題はある

メリットの多い技術者派遣ですが、やはりデメリットもあります。そのうちのひとつが定着率の問題です。

仕事内容や給料、職場環境など、技術者が期待するものを提供できていなければ離職率は高くなります。もちろんこれらは派遣に限ったことではありませんが、契約期間と更新がある派遣社員の場合、正社員より離職を切り出しやすい環境にあると言えます。

仕事内容などの契約条件面は、派遣会社の事前マッチングで合う人材かどうかの見極めが行われます。ただ、実際の職場で正社員との待遇の違いを目の当たりにしたり、疎外感があったりすると、派遣スタッフの「職場を変えたい」という意識は強くなります。

定着率の問題解決のためには、派遣スタッフの就業前に十分な説明、また就業中に適切なフォローができる派遣会社を選ぶことが重要です。加えて、自社内でも正社員との壁を感じさせない取り組みを行うこと。指示伝達事項に差をつけない、社員と同じ勉強会への参加推奨など、同じ職場の一員として接することで、定着率の改善が可能です。

成果物に対しての保証がない

派遣会社との契約は「労働契約」であり、成果物に対しての保証はありません。

派遣社員と派遣先企業は直接の雇用関係にありませんが、派遣されたスタッフに対しての指揮命令は派遣先企業が行います。報酬はあくまでも雇用期間内の「労働力」に対してのもので、想定していた期間内に製品が完成しなかったというケースでも、支払いは発生します。

逆に請負契約では、報酬は「成果物」に対して支払われるもので、雇用人数や契約期間などは考慮されません。代わりに、スタッフに対しての指揮命令権は請負業者側にあるため、現場への直接指示や急な仕様変更などはできません。

一概に、どちらにメリット・デメリットがあるという話ではありませんが、任せたい業務の性質によって使い分けが必要です。



技術者派遣の人材(機電系)について

機械工学や電子・電気系工学などを駆使し、さまざまな機械製品の開発・製造に携わる技術者は、モノづくり企業の要となる人材です。

経験豊富なベテラン技術者

大手メーカーの早期退職募集に応じた、または定年退職後にまだまだエンジニアを続けたいと希望するベテラン技術者が、派遣技術者として勤務するケースです。

熟練の技とも呼べる技能を持ち、経験は20年以上。匠(たくみ)やマイスターと言われる技術者です。特にハードウェア分野では、豊富な経験を持つ派遣エンジニアが活躍しており、技術継承における重要な役割も担います。

派遣会社の常用社員として新卒入社した技術者

大学の機械工学科や電気・電子工学科の卒業生が、常用型の派遣会社に就職するケースです。派遣会社で、機械、電気、ソフトなど、それぞれ専門の研修を受けてから現場企業に配属されます。

メーカーに就職して総合職のキャリアを積むのではなく、エンジニアに特化して技術を磨きたいという希望を持っています。部署や製品分野がコロコロと変わる派遣先企業より、長期間にわたり同じ分野で専門スキルを伸ばせる職場を好みます。

ライフスタイルから派遣を選んでいる技術者 

エンジニアとしてのキャリアがあるものの、子育てや家庭の事情により就業時間に制約があるため、派遣技術者として勤務するエンジニアもいます。

時短勤務のニーズにうまく応えることができれば、スポット的な戦力としてだけでなく、安定して専門性を発揮してもらうことも可能です。

開発の第一線でバリバリとまではできなくとも、しっかりした技術力を持った人材は多くいます。コア人材と組んだチーム派遣でも活躍が期待できます。

技術者派遣の費用相場

派遣単価は技術者のスキルや経験によって決まります。専門性の高い技術者は数が少なく、企業からの引きも強いので、単価が高くなります。

技術者派遣の料金は時間給で計算され、派遣単価の目安は以下のとおりです。


設計・開発(組込みソフト,電気,機械)
1時間あたり3,500円~6,000円
試作・実験(電気,機械)    
1時間あたり2,000円~3,500円
システム設計・開発(IT)    
1時間あたり2,800円~6,000円
インフラ設計・構築(IT)    
1時間あたり2,800円~6,000円
システム運用・テクニカルサポート(IT)
1時間あたり2,300円~4,500円

料金には、派遣スタッフの給料、社会保険料、有給休暇費用、諸経費(福利厚生・研修費など)、派遣会社の利益が含まれています。派遣会社や技術分野にもよりますが、おおよそ8割程度はスタッフの給料・社会保険料・有給休暇費用です。そのため、コストダウンを意識しすぎると、技術力があるスタッフの確保は難しくなります。

その他の技術者派遣の有効活用

技術者派遣には、即戦力を採用できるメリットのほかにも、外部の技術者が持つ知識を自社の既存技術と合わせられるという利点もあります。連携から新しい技術や価値が生まれる可能性は十分あります。

正社員雇用とは違うメリットがあるのが技術者派遣。自社が求める技術と最初から完全に一致しなくても、異なる視点や転用できるスキルを持った人材がいないか、派遣会社に相談してみるのもひとつの方法です。

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