事業コンセプトの製品化から量産まで一貫サポート スタートアップ企業のスムーズな事業推進を支援

ことほ株式会社は歩行訓練機開発、製造・販売までを手掛ける介護系スタートアップ企業です。コア事業は独自開発の３Dウォークシステム。当社には、コンセプトモデルの設計段階からご相談いただきました。 

当初は機械設計の作図依頼でしたが、まだ世の中にない製品を形にするには、販売や量産化まで「ハードウェア商材」としての製品を明確にイメージした戦略が必要です。設計・モノづくりリソースの少ないスタートアップ企業にとっては、対応が難しい工程も多くあります。そこで、数多くの最終製品を送り出してきたパナソニックの“モノづくり”力を活かし、開発から最終製品の量産化まで、事業推進に必要なサポートを一貫して行いました。同社との取り組みをご紹介します。 

ことほ株式会社様（介護系スタートアップ企業）データ

スタートアップ企業の設計リソース不足を解決

ことほ株式会社の歩行訓練機「らくらくバランス」は、加齢や怪我の後遺症により生活が困難になった方向けのリハビリ機器です。いわゆるルームランナーとは違い回転するベルトがなく、ペダルに乗るだけで歩行トレーニングができます。転倒の危険がなく、かつ関節に負担をかけずにバランス力や筋力を鍛えることが可能で、通常歩行より安全に訓練が行えます。 

バランスを鍛えながら歩行を改善する訓練機ー「らくらくバランス」

元々機械系エンジニア集団による介護系スタートアップである同社は、医療エビデンスを元にした機器の開発は得意とするところ。「らくらくバランス」の開発も、明確な事業コンセプトを持って進められていました。しかし、最終製品を世に出すには、コンセプトから構造設計、工場側との調整、また商品設計や営業企画なども同時並行する必要があります。限られたリソースで事業を行うスタートアップ企業にとっては、すべてを自社でハンドリングするのは困難です。同社でも、設計開発に時間をとられ、本来のビジネスモデルの構築・推進に必要なリソースが確保できないという課題がありました。そこでご相談いただいたのが、パナソニックの“モノづくり力”で設計開発を請け負う当社です。

機構・デザイン設計から最終製品まで、広範囲の開発をワンストップでサポート

当案件を担当したのは、機構、電気、デザイン、ソフトウェアの設計開発を請け負う、パーソルエクセルHRパートナーズです。構造設計や電気設計だけでなく、ユーザーの使いやすさを考えたUXデザインや量産対応まで、広範囲にわたる開発支援でお客様のモノづくりをサポートしています。 

ことほ株式会社からは当初、「らくらくバランス」の構造設計部分でご相談をいただきましたが、打ち合わせを重ねるなかで、製品の外観や手触りなどユーザー目線のデザインも合わせてご提案。意匠外観を含めたUXデザイン、商品の全体設計についても支援を行いました。 

左上：操作画面-一目でわかる直感的な操作画面　左下：ペダル部分-同社独自開発の3D ウォークシステム　右：全体-頻繁に触れるカバーフレーム部分は丸みを帯びた形状にデザイン

機器を使用される方の視点や動作を考え、使い方が誰にでも直感的に分かるようペダル部分には大きな目印を付け、表示モニターや頻繁に触れるカバーフレーム部分は丸みを帯びた形状にするなど、使いやすさとデザイン性の両立を図っています。 

また、部品メーカーや工場との連携のしやすさなど、パナソニック品質のモノづくりに共感いただき、設計開発だけではなく、量産化に向けたスムーズな立上げ支援まで、最初の受託範囲を大きく超えて開発をお任せいただきました。 

製品のバージョンアップや次世代機の構想設計も

同社からは当社のサポートについて、単純な設計図面請負ではなく、最終製品の量産化までご提案が可能なこと、試作段階での不具合改善や仕様変更への対応力があることなどを評価いただきました。すでに次期バージョン製品のお話も上がっています。今後はユーザーからのフィードバックを分析し、モデルチェンジや次世代機に向け課題の抽出を行って、要素技術や基本設計から提案します。 ​​​​​​​

▼ことほ株式会社様の公式サイト