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派遣社員の管理のために派遣先企業が押さえるべきポイントを解説

派遣社員は派遣会社に雇用されていますが、派遣先企業での管理が不要というわけではなく、派遣先企業には契約や勤怠などについて様々な管理責任があります。派遣社員が円滑に業務を行い、企業の目標を達成するためには、派遣先企業での適切な管理が不可欠です。

本記事では、派遣先企業として押さえておきたい派遣社員の管理方法やそのポイント、必要な役割などについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.派遣社員の管理のために押さえておくべきポイント
    1. 1.1.1. 契約の管理・派遣先責任者の選任
    2. 1.2.2. 勤怠管理
    3. 1.3.3. 業務指導の管理
    4. 1.4.4. 衛生・安全の確保
    5. 1.5.5. 苦情、ハラスメントへの対応
  2. 2.派遣先管理台帳の作成と記載事項について
    1. 2.1.通知が必要な項目
    2. 2.2.それ以外の項目
  3. 3.派遣管理の効率化
    1. 3.1.派遣管理システムの導入
    2. 3.2.派遣管理デスク
  4. 4.まとめ

派遣社員の管理のために押さえておくべきポイント

派遣社員の管理のために押さえておくべきポイント

派遣社員の管理には、契約内容や勤怠の管理、指揮命令体制の構築など、派遣先企業の責務として行うものが多くあります。ここでは、特に円滑な業務遂行のために必要な5つの項目について確認していきます。

1. 契約の管理・派遣先責任者の選任

派遣社員の契約内容はそれぞれ異なるため、派遣先企業は労働者派遣法に基づいた契約内容を個別に管理する必要があります。日常的に管理する内容としては、勤務時間や抵触日(3年の期限)、契約範囲外の業務を行っていないかの確認などが該当するでしょう。時間外労働が発生する場合は、あらかじめ派遣元が締結している36協定を確認し、労働時間を範囲内に収める必要があります。抵触日に関しては、期日が近づく前に無期雇用の予定や後任の確認を行い、手続きを適切に進めることが求められます。また、派遣社員に契約外の業務を指示することは禁止されており、業務内容の変更が必要な場合は、派遣元と連携して契約内容の変更を行わなければなりません。

これら契約内容の遵守や派遣社員の適切な就業を管理するため、派遣先企業には「派遣先責任者」を選任するよう定められています。事業所単位で派遣労働者100人あたり1人の派遣先責任者が必要です。資格などは必要ありませんが、派遣契約内容を把握し、派遣社員や周囲で一緒に働くメンバーに周知する役割があるため、労働基準法・労働者派遣法などの内容に詳しい、人事や労務管理の経験がある人材が望ましいでしょう。

2. 勤怠管理

派遣社員の勤怠管理は、派遣先企業が責任を持って適切に行うべき事項で、始業・終業時刻や休憩時間、時間外労働などの記録を正確に残すことが求められます。また、労働者派遣法に基づき、派遣元に対して月に1度以上は勤務状況の通知を行わなければなりません。

勤怠記録を行うツールに決まりはないため、管理システムは自由に選択できます。手書きの用紙に派遣先担当者の承認サインをもらう方式から、パソコン上の管理ツールへ、さらに近年ではクラウドベースでリモートワークにも対応した管理システムが一般的になってきています。

3. 業務指導の管理

派遣社員に対する業務指導は、派遣先企業が行います。派遣社員が正しく業務を理解し遂行できるよう、現場で必要な研修やマニュアルの整備を行い、サポートしていきましょう。その際、職場のルールや全体の業務フローも丁寧に説明しておくことで、派遣社員の素早い業務適応が可能になります。また、派遣契約外の業務を指示することは認められていないため、就業中は契約内容以外の業務を行っていないかのチェックも必要です。

労働者派遣法では、派遣先企業に「指揮命令者」を選任するよう求めています。指揮命令者は、派遣契約の範囲内で業務の指示・指導を行うほか、勤怠管理や就業環境の整備など、派遣社員がスムーズに業務を遂行できるよう体制を整える役割を担います。選任に際して特別な資格などは必要ありませんが、対象の派遣社員と同一部署であり、業務内容を理解していることなどの条件があります。また、選任は派遣先企業が直接雇用する人材に限られるため、多数の派遣社員のなかからリーダーを選んで業務を遂行するような場合でも、派遣リーダーに指示や指導を行う指揮命令者の設置は必要です。

4. 衛生・安全の確保

派遣社員に対する一般的な健康診断は派遣元企業が行いますが、派遣社員が滞りなく業務を行えるよう、派遣先企業には職場環境の衛生・安全を確保する義務があります。日常業務においては、室内の明るさや温度調節が適切に行われているか、休憩時間や休日の取り方が適切かなどを定期的に確認し、快適な労働環境の提供が必要です。災害時の避難経路や安否確認の方法なども、社員と同様に漏れなく周知します。

また、労働者派遣法の改正により、社員との不合理な待遇差をなくすことが派遣先企業に求められるようになりました。たとえば、社員食堂やリラクゼーションルームなどの福利厚生施設は、派遣社員も利用できるようにする必要があります。このような待遇格差の解消も含め、衛生・安全面に配慮し派遣社員が安心して働ける環境を整え、全体のパフォーマンス向上に繋げていきましょう。

5. 苦情、ハラスメントへの対応

派遣社員の職場において、苦情への対応やハラスメント行為の防止は法律で義務づけられており、企業として対策をしっかりと行う必要があります。まず、「苦情処理担当者」を決め、派遣社員に周知のうえ、いつでも安心して相談できる環境を整えます。この担当者は、日常業務を指示する指揮命令者とは別に設定することが推奨されます。

実際の苦情やハラスメント被害の申し出に対しては、派遣会社と連携のうえ迅速に対応できるプロセスを整えることが重要です。状況の確認や、具体的な労働環境の改善を図る動きがすぐに取れるよう体制を構築します。また、苦情を申し出た派遣社員の契約を解除するなど、不利益となる対応は禁止されています。プライバシーにも配慮しながら、誠意を持って解決に当たりましょう。

なお、派遣社員から受けた苦情・ハラスメントの相談内容や対応状況は、派遣先管理台帳などに記録し、派遣期間終了後3年間の保管が必要です。

派遣先管理台帳の作成と記載事項について

派遣先管理台帳の作成と記載事項について

派遣社員の労務管理を適切に行うため、派遣先企業には「派遣先管理台帳」の作成が義務づけられています。この台帳には、派遣社員が勤務した日や労働時間、実際に行った業務内容など、派遣社員の就労実態を記録します。また、派遣社員からの苦情や対応の内容も正確に記載します。

記録形式についての決まりはないため、紙媒体や電子データなど、管理しやすい方法で作成できます。また、この台帳は月に1回以上、派遣会社に通知が必要で、派遣元と派遣先で連携して適切な労務管理を行うことが求められます。

通知が必要な項目

派遣先管理台帳のなかで、派遣元に通知の必要がある項目は以下のとおりです。

  • 派遣労働者の氏名
  • 派遣就業した日
  • 派遣就業した日ごとの始業・終業時刻、休憩時間
  • 従事した業務の種類
  • 従事する業務に伴う責任の程度
  • 従事した事業所の名称・所在地その他・派遣就業した場所ならびに組織単位

それ以外の項目

通知義務のある項目以外では以下のものがあります。

  • 派遣元の氏名または名称
  • 派遣元の事業所の名称
  • 派遣元の事業所の所在地
  • 無期雇用派遣労働者か、有期雇用派遣労働者か、および60歳以上であるか否かの別
  • 派遣労働者から申し出を受けた苦情の処理に関する事項
  • 紹介予定派遣に関する事項
  • 教育訓練を行った日時および内容
  • 派遣先責任者および派遣元責任者に関する事項
  • 派遣受け入れ期間の制限を受けない業務に関する事項
  • 派遣労働者に係る社会保険・雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無
  • 協定対象派遣労働者であるか否かの別

なお、作成した派遣先管理台帳は、派遣契約終了から3年間の保管義務があります。

派遣管理の効率化

派遣管理の効率化

派遣社員の管理は企業にとって欠かせない業務ですが、派遣社員の人数が増えるに従って、契約内容や勤怠の把握など、管理業務が煩雑になりがちです。これら派遣社員の管理業務を効率化する手段として、「派遣管理システム」「派遣管理デスク」があります。

派遣管理システムの導入

派遣社員の管理効率化には、派遣管理システムの導入が有効です。システムを活用することで、派遣社員の勤怠状況や個別契約内容、派遣料の請求書などを正確かつスピーディに処理・管理できます。また、重要な抵触日の確認も簡単に行えるため、更新や終了のタイミングに向け、前もって対応を検討しやすくなります。

派遣先企業向けに設計されたツールは、複数の派遣元の情報も一元管理できるため、複雑な労務管理の負担を大幅に軽減できます。オンプレミス型やクラウドベースなど、ベンダーから様々なサービスが提供されているので、コストと機能を比較し、自社に合ったシステムを選びましょう。

派遣管理デスク

派遣管理デスクは、派遣先企業にコーディネーターが常駐して(非常駐型もあり)、派遣人材に関する業務を集約するサービスです。派遣会社への新規発注から受け入れ、契約管理、請求書のチェックまで、煩雑な業務を一本化して法律に準拠した安定運用を行います。多くの場合、対応する業務はカスタマイズすることができ、日々の勤怠管理や契約更新、派遣社員からの苦情・トラブル対応、法改正への対処なども含めたトータルサポートの依頼も可能です。

多くの派遣会社と取引がある、また、契約内容が派遣社員ごとに異なり多岐にわたっている場合など、管理が複雑で自社負担が大きい場合に活用を検討したいサービスです。

まとめ

まとめ

派遣社員は契約上、自社の正社員とは異なりますが、企業の目標達成に向けて共に業務に取り組むメンバーである点は同じです。適切な管理を行うことで、派遣社員が安心して業務に臨むことができれば、結果として企業全体の生産性向上につながります。また、派遣会社との緊密な連携を図ることで、さらにスムーズな業務進行やトラブル回避も可能になります。

もし管理の負担が大きいと感じる場合は、派遣管理システムや派遣管理デスクといった効率化の手段を導入することも一つの方法です。自社に合った最適な選択肢を見極め、派遣社員を有効に活用して成果を上げていきましょう。

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